
【ユング心理学で本当の自分を取り戻す方法】ペルソナから解放されるステップ

氣づけば、誰かの期待に応える「自分」を演じていませんか?
本当の自分を隠し氣に入られようとして、相手の理想の自分を演じていませんか?
職場で頼れる存在を、家庭で献身的な親を、友人の前で楽しい人を――そんな役割をこなすうちに、いつの間にか「本当の自分」が分からなくなってしまうことがあります。
ユング心理學では、私たちが社会で使うこの「仮面」を「ペルソナ」と呼びます。
ペルソナは生きる上で必要なものですが、それに縛られ過ぎると、本当の自分を見失い、苦しさを感じるようになります。
この記事では、ペルソナがどのように形成され、なぜ演じている自分を本当の自分だと思い込むのかを解説します。
そして、スピリチュアルカウンセラーであるわたしの経験と共に、仮面を外し本來の自分を取り戻す方法もお伝えします。
【ペルソナとは何か?】
ペルソナは、ユング心理學で「仮面」のことで、「偽りの自分」「役割を演じる」を意味する言葉です。
この仮面は、私たちが他者と接する際に使う「外向きの自分」を指します。
たとえば、仕事場では「頼れるリーダー」、家庭では「献身的な母親」、友人の間では「楽しいムードメーカー」など、状況に応じて使い分けられるものです。
この仮面は、社会的な役割を果たす上で必要不可欠な存在です。
ビジネスの場で感情を抑え、冷静で理性的な態度を取ることは、成功するための戦略として重要です。
しかし、問題はこの仮面が「自分自身」として定着してしまい、本來の感情や欲求を見失うことにあります。
ポイント
ペルソナが完全にいけないわけではありません。
ただし、その仮面が「本当の自分」となり、自分の感情や考えを抑え込むと、心の中で不調和が生じるのです。
なぜペルソナを演じるようになるのか
ペルソナを演じる背景には、わたし達の心に潜む「不安」や「恐れ」があります。
具体的には、以下のような感情がペルソナを形成します。
愛されたい:親やパートナー、友人に嫌われたくない気持ち。
例:親に褒められるために良い子を演じる。
認められたい:職場や学校で評価されたい願望。
例:優秀な成績を収めるために完璧主義者になる。
傷つきたくない:過去のトラウマや失敗から、自分を守りたい心理。
例:人間関係で深く傷つきたくないために、距離を置く冷静なキャラを作る。
など、様々な感情から來るのですが、深い部分の心理は自分を守る為の場合がほとんどです。
子供の頃、親に「うるさい!」と言われ続け、嫌われたくないから大人しい子を演じる。
学校で笑った顔をからかわれて傷ついた事から、笑わない自分を演じる。
怒る事はネガティブな事だからと、怒らない自分を演じる。
このように小さな頃の経験から偽りの自分を創り上げる場合もありますし、大人になってから偽りの自分を創り上げる事もあります。
このような事から、本当の自分ではない「ペルソナ」を演じるようになっていきます。
最初は本当の感情を隠して、別の感情の自分を誰もが意識して演じています。
しかし、演じ続けているうちに、それがいつしか本当の自分と錯覚し、演じている事すら忘れてしまいます。
いつしか演じている自分の事を本当の自分だと思い込んでしまう。
それが【ペルソナ】です。
ペルソナを本当の自分だと思い込んでしまうメカニズム
ペルソナの問題点は、長期間演じ続けることで「偽りの自分」が「本当の自分」として心に根付くことです。
この過程を以下の3つのステップで説明します。
- 演じ始める
最初は周囲の期待に応えようとして、意識的に「仮面」をかぶります。
例:「周りが求めるから」と笑顔を作る。 - 演じ続ける
その仮面を外すタイミングを失い、無意識にそれを維持します。
例:「私ってこういう性格だから」と自己を限定する。 - 演じていることを忘れる
最終的に演じている自覚すらなくなり、それが本当の自分だと信じ込む。
例:「私は嫉妬なんてしない」と自分の感情を否定する。
このプロセスは長期間のうちに無意識に進行するため、本人が氣づくのは非常に難しくなっていきます。
演じている事全てが惡いのではないのですが、時に自分らしさを見失い、苦しくなっていきます。
苦しくなっているうちはまだ少しでも演じている事に自覚があるから「苦しい」という感情が出てくるのですが、更に演じ続けていくうちに演じている自覚すら無くなるので「苦しい」という感情すら無くなっていきます。
そして。「これがわたし」となっていきます。
こうなった時が厄介なんです。
以前、わたしもそのような経験をして、その苦しみから抜け出す事がようやく出來ました。
ペルソナを演じている自分に氣づいたわたしの体験談
「ペルソナ」は、いつしか演じている自分という自覚から、それこそが本物の自分だという感情になり、以前の本当の自分の感情が変わった事され氣づかずに生きていきます。
わたしが傷ついた事から本当の氣持ちを閉じ込めて「ペルソナ」別の感情の自分になっていった出來事と、「ペルソナだった事」に氣づいた出來事がありました。
ペルソナを創り出したきっかけとなった最初の出來事は、10代後半から20代にした恋愛でした。
その彼とはかなり長く付き合っていたのですが、彼に好きな人が出来て別れる事になりました。
その時泣いて、すがりついて「別れたくない!」と叫びたい自分もいました。
しかし
「その子は俺がいないとダメなんだ。でもお前は一人で生きていける。」
と言われ、何も言えないまま別れてしまいました。
そこからしばらくして付き合った彼に浮気をされたのですが、その時前の彼に言われた事が頭をよぎりました。
そして本当は浮氣なんて嫌なのに、怒りをぶちまけたいはずなのに、嫌われる事や彼が離れていくのではないかという不安から、聞き分けのいい大人の女を演じたのです。
「私はそんな事で騒ぐような女じゃないわ!」って…
前回の振られた経験から「別れる」と切り出されるのが怖かったからです。
その後に付き合った彼は浮気はしませんでしたが、付き合いが多い人でしたので女友達も多かったんです。
だから女友達の相談に乗る事も、女友達と飲みに行く事もありました。
浮気ではないと分かっていても本当はあまり行ってほしくなかったし、焼きもちを焼いていました。
でも、それを言えませんでしたし、何も言わずに送り出していました。
聞き分けのいい大人の女を演じていたのです。
この時はまだ「聞き分けのいい大人の女」を演じている自覚はありました。
だから苦しかったです。
でも、いつからか、それが本当の自分だと思い込んでいたのです。
いつから本当の自分だと思うようになっていたのかは分かりません。
だから友達と浮氣の話しになっても
「男なんて浮氣しない人なんていないよ!」
「わたしは焼きもち焼いたり、騒いだりしない。」
などと言っていたのです。
この時は演じている自覚も無くなっていた時でしたので、本心で話していると思っていました。
そして「男は浮気するのが当たり前なんだから、別に戻ってくればいいのよ!」というような事を言っていました。
この頃は、完全に「何があっても動じない大人の女」だという感情は、本当の自分だと思い込んでいました。

それからかなりの年数が経ち新しい彼が出来た時に、わたしを内側から揺さぶるような出來事が起こりました。
その彼は、どこに行っても人気者になるような人でした。
初対面でもすぐに仲良くなれるし、自分からグイグイ会話をするような人です。
それがとても魅力的で好きな所でもありました♡
そしてとても素直でしたので、何でも私に話します。
ある時仲良くなった女友達について話してきました。
わたしが仕事の時、会う約束をした事も遊びに行った場所や様子、楽しかった事、何でも話してくれました。
何度も何度も!
何度も何度も聞いている内に、わたしはとても心が苦しくなりました。
わたしは、焼きもちを焼きイライラが募り、どうにもならないような気持ちになりました。
「わたしにこんな感情あったのか!」と自分でも驚くほどの醜い嫉妬や憎しみの感情でした。
この時
「どうしてこんな風になってしまったのだろう?」
と悩みました。
友達に話すと「それを感じ尽くしてみたら?」と言ってくれたのです。
それから私は内観しました。
すぐに答えは出ませんでしたので変わらず苦しいままでしたが、ある時ふと最初に書いた彼の事を思い出しました。
そこから
その時の出來事や感じた事
次に付き合った彼との出來事や感じた事を
順番に考えていきました。
すると、最初の彼と付き合っていた時は、最初は焼きもちを焼いたり嫉妬心をあらわにしていましたし、自分の気持ちをきちんと伝えていた事を思い出しました。
しかしいつ頃からか素直な氣持ちを言い出せなくなり、別れる時ですら本当の自分の氣持ちを押し殺していた事に氣づいたのです。
次に付き合った彼には嫌われたくないから、焼きもちなどは出さずに何も言わない彼女を演じていた事に氣づいたのです。
「嫉妬もしない聞き分けのいい大人の女でいたら愛される」「別れずに居られる」と思い込んでいた事から嫉妬心を押し込めて、何も言わない聞き分けのいい女を演じるようになっていたのです。
それが争いや別れもなく無事に付き合っていける手段
自分を守る為の手段
だったんですね。
そして本当の自分を隠して違う自分を演じているうちに、いつしかそれが本当の私だと心の底から思い込んでいた事に氣づいたんです。
「本当のわたしは焼きもち焼きで泣きたい時は泣いて、嫌だって叫びたい時は叫びたかったんだ!」と…
それを克服しないと、また同じ事の繰り返しだと氣づいたんです。
この事に氣づいて、わたしは彼に嫌われてもいいから正直にこの嫉妬心や憎しみを伝える事にしました。
別れる覚悟で彼に伝えました。
これがペルソナを棄てる瞬間でした❢

何度も何度も泣いて叫んで時には怒りながら
どれだけ苦しいか、辛いかを伝えたのです。
すると彼は
「傷つけるつもりはなく、本当に(遊んでいた女性は)友達だから話していた。
大切な人だから何でも隠さずに話していたし、楽しい事を分かち合いたかっただけだった。」
と何度も謝ってくれたのです。
その出來事から私の中にある「嫉妬」や「憎しみ」といった一見醜いと思う感情に氣づき、それを認める事が出來て本当の自分を取り戻しました。
このように自分を傷つく事から身を守る為に仮面をかぶり演じていく事を何度も繰り返していく事により、本当の感情は無意識へと押し込められていきます。
そして、演じている事が本当の自分だと心から勘違いしていくのです。
まるで、細胞までもそれに感染していくかのように…
これがペルソナのメカニズムです。
幾つものペルソナを演じている
誰もが幾つものペルソナを演じています。
そして、ペルソナが剥がれて本当の自分を取り戻し、苦しみから抜け出す事が出來ます。
本來の自分を取り戻し、樂になり心地よく生きる事が出來るようになります(*^^*)
わたしの場合、彼を使ってペルソナに氣づく出來事を起こしてくれたんですね。
この後宇宙に感謝したのは言うまでもありません。
これは1つの例ですが、1つだけでなく何個もペルソナはあります。
その1つ1つに氣づいていく事で、どんどん本來の感情を取り戻しその感情から解放され、本來の自分と統合していきます。
本当の自分を取り戻すために
わたし達が社会で役割を果たす中で演じる「ペルソナ」は、生活を支える大切なツールでもあります。
しかし、それに縛られすぎると、本來の自分を見失い、氣づけば本來の自分と分離して偽りの自分を生きるようになってしまうことがあります。
ペルソナは、自分を守るために無意識に作り上げるものですが、それが原因で苦しさや孤独感を感じることもあるのです。
この記事では、ペルソナが形成されるメカニズムや、それを本当の自分だと思い込んでしまう過程について解説しました。
自分を取り戻すためには、まず仮面をかぶっていることに氣づき、自分の本当の感情や欲求に向き合うことが大切です。
感情を認め、小さな一歩を踏み出すことで、本來の自分と調和し、心地よく生きる道が開けます。
今こそ、自分自身に問いかけてみてください!
「わたしは本当に自分らしく生きているだろうか?」と。
この問いが、あなたを新たなステージへと導く第一歩になるはずです。


